スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

えんぴつチリンチリン

…前回「ダイエットのコツ、前編」でしたから、今度は後編、といきたいところですが、実はまだまとまってません。前編を読んで期待された方、ごめんなさい。も少しお待ちを。

 今日は違うテーマなのです。思い出話。
 今の時期は何処の大学もウチの大学も試験期間。音大の場合はその中で「和声学」の試験があるのですが、この「和声のテスト」っていうと、ボクは決まってある人物を思い出すのです。大学時代のクラリネット科の同期生、「サウスリヴァー」(←ボクがつけたあだ名)の事。彼に関する面白い話は沢山あるのですが、今日はその中のひとつ「鉛筆チリンチリン事件」(事件じゃないけど)。





「サウス」は4年では卒業できず、6年生までいた。卒業に必要な単位が4年の終わり時点でだいぶ足らなかった。当時のクラリネット科のある教授は彼の事を「クラ部屋(クラリネット科の学生が集まる部屋)の奥にある長椅子に座ったまま6年生になってしまった」と評していた。

 だがサウスは、後輩達からの人望がどういう訳か羨ましい程厚かった。後輩の女子達が共同で立派なセーターを編んでくれたり、なんといっても何とか彼を「卒業させる会」というのができたり。6年で卒業できなければ、芸大の場合は退学だから。

 この「卒業させる会」というのは、サウスに代わって講義に出たり試験を受けたりするような悪どいものではなく、彼の卒業に必要な授業や試験についてのスケジュール管理をするということで、「次はこの講義ですよ。さ、◯◯室に行って下さい」とただ追い立てるだけ。それでも彼が卒業できたのはこの会のおかげである。

 そんなある冬の日、それこそ和声の試験日。与えられたバスやソプラノの旋律の上や下に正しい音符を書き込んでいくいわば筆記試験なのだが、その試験直前までサウスはいつものようにクラ部屋の長椅子に座っていた。試験に気付いた「卒業させる会」の後輩は「あ!先輩、試験ですよ。早く行って下さい!」とせき立てる。

「わかった」と取り敢えず立ち上がるサウス。「でも何の試験?」「和声ですよワ・セ・イ。さ、鉛筆持って」
「鉛筆なんか持ってないよ」と部屋内を物色する。ところが何処にもない。時間もない。試験開始に遅れたら総ては水の泡。

 必死に探した結果、取り敢えず1本だけ見つかった。その1本とは・・・。

 何処かの神社のお土産だろうか、太くて長さが30cm位もある鉛筆。しかもてっぺんに鈴がついてる・・・

 でも背に腹は代えられない。とにかくその鉛筆をつかんでサウスは試験会場に駆け込んだ。

 後日サウスはボクに淡々とその時の状況を話す。「あの静寂な試験会場でよー。マル(音符)1コ書くたびによー、オレの鉛筆がチリン、チリーン、チリリーンと響き渡るんだよなー。みんなこっちチラチラ見るし、恥ずかしかったけどよー、オレのじゃないから鈴を引きちぎるわけにもいかねーし・・・」ボクは吐きそうになる程笑った。

 で、サウスは無事に卒業し、東京芸術大学学士の称号をちゃんと獲得。考えてみればさっきまで試験そのものに気付かなかった彼が、あの難しい和声学でちゃんと合格した訳だから、やっぱサウスは天才かも。もしくは、あの「チリンチリン」で神が舞い降りたか。
スポンサーサイト

テーマ : つれづれ日記
ジャンル : 日記

tag : 東京芸術大学 和声

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Yumochan(ゆもとようじ)

Author:Yumochan(ゆもとようじ)
本名:湯本洋司
フルート&ピッコロ奏者。アレンジャー。
(属)芸大フィルハーモニア/アマデウス・クィンテット/ムラマツフルートレッスンセンター講師

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

Thank You for Visit
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR
カテゴリ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。