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暗譜について(その1)

自分が教えている「ムラマツフルート・レッスンセンター」の生徒さんによる発表会が、今年も無事終了しました。
いつもは教室の隣りにある「ムラマツ・ホール」が会場でしたが、今年は神楽坂にある「音楽の友ホール」
2012.1.19-1
自分がリサイタルを開いた事もある会場です。

2012.10.19-2
舞台後方は大理石の壁。これのお蔭か、よく響きます。

生徒さんの中には(自分のクラスではないけれど)暗譜で演奏する人もいました。凄いですね。
でも、中には暗譜故にやってしまったミスというのもあり、なかなか難しいものです。

今日はこの「暗譜」について考えてみたいと思います。




フルートは暗譜が困難?

歌のコンサートの場合、ソプラノ・リサイタルにせよ演歌のステージにせよ、譜面を見て歌うってのはまずあり得ない(あるかも知れないが)。
歌詞には意味があるから、それと一緒にメロディーが入りやすいのだ。
また、歌う時のちょっとした仕草から、オペラの振付けまで、身体の動きは暗譜の重要な手助けになる。
要するに「身体で憶える」のだ。

一方、ピアノや弦楽器は、演奏する時の腕の動きが大きいし、自分の指もよく見える。
チェロやコントラバスは左手は一瞬視界から外れるが、大体の手の動きは見えている。
要するに、これらも身体の動きが、大なり小なり暗譜の手助けになる。

管楽器はどうか?
実際、管楽器は指と口関係しか動かさない。指の動きだってせいぜい1~3cm位だろう。
でもまだ指の動きは視界に入る。従って知らぬうちに音符を指で確認しながら吹く作業をしている筈である。
トロンボーンは殆ど指は動かさないが、ご存知の通り大きい腕の動きが伴う。
それらの身体の動きが、譜面を憶える事に100%繋がるかどうかは断言できないが、役に立っていない訳ではないと思う。

さて、フルートである。
フルートはあらゆる楽器の中で、唯一演奏している時に自分の指が見えない楽器なのである(縦型のバスフルートは別)。
要するにキイの開閉は、自分の微妙な指の感覚に頼るしかない。

結論を先に述べておくと、暗譜の得手不得手は全く人によりけりで、楽器も何も関係ないのだが、ただフルートで暗譜をする場合、そういう訳で他の楽器よりはちょっとやりにくいだろうなとは思う。
つまり「身体で憶えにくい」唯一の楽器。

暗譜をするという事

暗譜をするという事は、その曲を自分のものにする事である、と断言できる。

ある曲を本番に向けて練習する場合、例えば…
・メロディーを何度も吹いて曲から湧き出るイメージを膨らます
・ここはこういう音で吹きたい、或いは全体的にもっといい音で吹きたい等と考えては、サンプリングしてロングトーンをしてみる
・指の難しい箇所はゆっくり吹き直したり、何種類ものリズムパターンを当てはめて何回も何回も繰り返す
・アーティキュレーションやブレスを再確認しては吹き直してみる

このように何回も何回も繰り返して行くうちに、曲=指、舌、唇、そして呼吸系などの身体の動きとして、自然に浸み付いてくると思う。
こうして憶えるのが暗譜であり、「次はレの付点四分音符、その次はドの八分音符、その間スラー」なんて憶えるのは「真の暗譜」ではない。

特にフルートの場合、先述の理由から、曲を吹く場合の微妙な身体の動きを、五感を駆使して意識しておく事が、より良い暗譜に繋がる(但し必要以上に身体を動かしてはいけない)。

そのようにして楽譜を見ずに吹く人は(例えばKV313の場合)お客さんに対して「これが私のモーツァルトです。さあどうぞ!」という気持ちで演奏する、これが暗譜であり、目をつぶったり、或いは一点だけを見据えて一所懸命頭の中に譜面起こしをして演奏するのは危険である。
実際、過去の発表会で、それ故に事故が起こった演奏に遭遇した。

ただここで、では暗譜は絶対に譜面ヅラだけでで憶えてはいけないか、というと、実はそうでもない。つまり、「真の暗譜」ではない憶え方、というのも時には必要なのである。

何かの拍子で頭の中が真っ白になる事もある。それに例えば提示部と再現部、メロディーの言葉尻が微妙に違う時等は、これはちゃんと音符で憶えておかないと、急に曲の最後に飛んじゃったり、また最初に戻っちゃったりというアクシデントが起こりやすい。これも昔の発表会で実際に遭遇した大事故。要所要所で、道順や分岐点を頭に叩き込んでおかなければならないのだ。

暗譜するか、しないかはハッキリと

本番に向けて暗譜が間に合わなかった場合は、当然の事ながら楽譜を見るべきだが、「大体暗譜できてるんだけど、それでも一応楽譜を見て吹く」という人には1つ注意点がある。

楽譜があるからには、譜面は必ずちゃんと見て吹こう。

というのは、憶えていると今度は譜面から目を離しやすい。少しなら大丈夫だが、大きく顔が離れて視線がまた譜面に戻ってきた時、思わず今何処を吹いているか探してしまい。その分集中力が落ちるからだ。これは自分にも経験がある。

そして勿論、暗譜して演奏するには、その曲を100%憶えるのでは足りない。120%憶えよう。



「暗譜論」はやっぱり奥が深いです。ちょっと難しかったかな?先ずはこの辺にしておきましょう。

後日「その2」を掲載したいと思います。
自分が暗譜する時の事について、省みてみようかと思います。
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テーマ : 音楽的ひとりごと
ジャンル : 音楽

tag : ムラマツフルート レッスンセンター 発表会 暗譜

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プロフィール

Yumochan(ゆもとようじ)

Author:Yumochan(ゆもとようじ)
本名:湯本洋司
フルート&ピッコロ奏者。アレンジャー。
(属)芸大フィルハーモニア/アマデウス・クィンテット/ムラマツフルートレッスンセンター講師

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