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フィンランドとシベリウス

森と湖の国、フィンランドのほぼ中央に位置するクオピオ(Kuopio)という所。この小さな町に「クオピオ交響楽団」というプロのオーケストラがある。

15年前の丁度今時期、このクオピオ響が来日した折、ベートーヴェン「第九」のピッコロで自分がエキストラ出演した事がある。

リハーサルに行って先ず驚いたのは、10月の雨の肌寒い日にも関わらず、オケの殆どの人達がTシャツやタンクトップ、そして短パンという真夏の格好をしていた事。彼等に言わせれば今日は「暑い」んだそうだ。

…無理もない。北欧の冬はマイナス10℃以下、クオピオでは時に-40℃まで下がる事もあるそうだ。東京との気温差が50℃!だからフィンランドのオケが冬に来日すると、この温度差で体調を崩す人も出るという笑えない話もある。

それに流石はバイキングの国、彼等は皆身体がデカい。中には自分の1.5倍位の巨人も。何より指揮者の身長が2m位あったし。

そんな人達と一緒に演奏できたのは、とても良い体験だった。第九のピッコロといえば音程とリズムが命みたいなシビアなパートだが、クオピオ響の人達はあまりそんな事は気にしないみたいだ(指揮者も)。
アンサンブルの縦の線も横の線も日本のオケ程緻密ではなく、それよりも皆朗々と演奏していて心から「音」を「楽」しんでいる。

クオピオ交響楽団の定期演奏会は、普段は地元の音楽センターにて開かれている。
本番当日は午前中にゲネプロ。終わってから夜の開演までの間に、団員達はそれぞれ思い思いの行動をする事になるが、中には会場のすぐ近くにあるクオピオ湖にボートで釣りに行っちゃったりする人も。

だからこんなに大らかな人柄&演奏なのかと思うが、一方ご存知の通りフィンランドは大変な思いをして独立を果たした国。愛国心については人一倍強い国民。

この来日公演後のレセプションに於いても、日本の誰かが気を利かせてオルガンでフィンランドの国歌を弾き始めた。すると、それまで酒を飲みながらヘラヘラと喋っていた団員全員、いきなりそのオルガンに向かって直立不動、一斉に唱和したではないか。流石にこの時は、自分もちょっとその雰囲気にビビった。

そんなフィンランドの人達が「第2の国歌」として崇め奉っているのが、シベリウス作曲の交響詩「フィンランディア」。
これも聞いてびっくりした事だが、ご当地フィンランドでは、おいそれとこの曲は演奏してはいけないそうである。余程大事な行事でなければ演奏できないらしい。

さて、そんなシベリウスは1865年フィンランド生まれの作曲家。クオピオ響もこの来日では第九の前プロとして、シベリウスの交響曲第7番を演奏した。

2012.10.12-1
フィンランドには行った事はないが、こんな森と湖の風景に囲まれていると、自ずとこういう曲が生まれるんだろうなと思える、独特の作風。

聴いていると、あのクオピオの人達が懐かしく思える。

「フィンランディア」の他にも、有名なのが交響曲第2番、交響詩「トゥオネラの白鳥」、組曲「カレリア」、そしてヴァイオリン協奏曲等。

さて…



来週、芸大フィルハーモニアでもシベリウス特集をおおくりいたします。

2012.10.12-2

指揮者のD.ボストック氏は、自分が東京佼成ウィンドオーケストラによくエキストラに行っていた頃、フレデリック・フェネル氏の後任としてここの指揮者となり、何回かコンサートや録音でご一緒させて頂いた方ですが、その後芸大に来られて再び彼の指揮で吹ける事になりました。

このチラシ裏面にある彼のメッセージです。
「スカンディナヴィアの音楽は、しばしばその広大な風景のポエジー(詩歌)とアトモスフェア(空気)によって刻印されています(…中略…)『歴史的情景』は初期の作品で、フィンランドの歴史を扱っています。『ヴァイオリン協奏曲』は彼のもっとも知られた作品、『交響曲第5番』は穏やかな冒頭から輝かしい頂点に流れ込む傑作です。ジャン・シベリウスという偉大な天才を、藝大フィルハーモニアとともに一夜のうちに発見して下さい」

ヴァイオリン独奏は我がGフィルのソロ・コンサートマスター:野口千代光さんです。

来る10月19日(金)19時開演、奏楽堂です。
お楽しみに!
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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : フィンランド クオピオ交響楽団 シベリウス ヴァイオリン協奏曲 交響曲第5番 歴史的情景

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プロフィール

Yumochan(ゆもとようじ)

Author:Yumochan(ゆもとようじ)
本名:湯本洋司
フルート&ピッコロ奏者。アレンジャー。
(属)芸大フィルハーモニア/アマデウス・クィンテット/ムラマツフルートレッスンセンター講師

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