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キューピッドのマーチ

先月末、恩師川崎優先生の米寿記念コンサートに参加して来ました。
プログラムは全て先生の作編曲作品で、叙情的なソロからフルートオーケストラまで全8曲。

そしてアンコールで最後に演奏したのは、フルートオーケストラ版の「キューピッドのマーチ」でした。

2012.5.4-1




…この曲名を聞いて「ああ、あの曲か」と思い出した方はいらっしゃるだろうか?

今から約30年程前、全日本吹奏楽コンクールの課題曲の1つであった行進曲である。
メロディーやハーモニー等、曲構成は極めて単純で、いや単純すぎるせいか、(失礼ながら)この曲を課題曲として選択する学校は少なかったと思う…と、当時は思っていた。

(以下専門用語使用)Es-Dur、2分の2拍子。
いきなり下降型の音階から始まる8小節のイントロ。
明朗な第1テーマ。このメロディーの特徴は、完結する所でいきなり同主調(es-moll)になる点。これには当時ビックリさせられた。「蒲田行進曲」的なユーモア。
続くつなぎの部分では、途中から先程のイントロが途中から重なり、合わなそうで合うようになっている。
また第1テーマ。お決まりの中低音のObligato付き。
そこここに、いろいろな長さのCrescendoやDiminuendoが音楽をもり立てる。
また音階が出て来て、今度はTrioになだれ込む。
これも極めて基本的に下属調(As-Dur)。テーマは分散和音が主体。
それからの盛り上がりが作曲者独特の和声展開だが、特に型を崩す事なく、ファンファーレ調のアクセントが並んだ後、極めて平和な雰囲気でこの行進曲を閉じる。
まさに、マーチの基本中の基本とも言える曲。

ここまで述べて、もしかしたらお気付きになった方もいるかも知れないが、何故この曲が当時あまり選ばれなかったか、改めて解った気がする。

つまり、一見簡単でも、実は誤魔化しの効かないかなりシビアな曲なのだ。

音階と和音(=音程)、リズム感、音量のバランス、そして音色…かなり基礎的な演奏技術の完璧さが要求される。個人的技量からアンサンブル能力まで。
練習不足だったり、調子が悪かったりするとすぐにバレてしまう。
かといって基本的な事ばかり拘ってはいけない。この曲の持つ楽しい雰囲気を如何に表現できるか?
だから多分この曲を選んでしまうと、そのバンドの能力がわざわざTrioまで到達するまでもなく、いやヘタすると最初の8小節で判断されてしまうだろう。

更にこの曲、指揮者のテンポ感も問われる。ノリが良い曲のせいか、だんだん速くなってくるのだ…。



「どんどん速くなっちゃうんだよね~みんな。絶対この曲はテンポをキープしなきゃダメなんだよ」と、楽屋で先生はこぼしていました。

この日のコンサートの最初の曲は、地元:浜松のフルートオーケストラ「ムジカKayabue」の演奏による「キューピッドのマーチ」でしたが、急遽自分がこの曲の指揮をする事になりました(今回の賛助出演者で、男性では何と自分が最年少!)。
しかも直前に先生のこのお言葉!たかだかマーチの指揮にこんなに緊張するとは…確かに先生の仰る通り、振ってみるとスタコラと前に行っちゃいそうで、テンポを保つのに必死でした。

そしてアンコールの方は先生が指揮をし、自分は1st.Fluteの席で演奏した訳ですが、なる程このパートもつくづくシビアだなぁと思いながら吹いていました(汗)

翌日も、翌々日も…何故か頭の中でこのマーチが鳴り続けていました。ずっと心に残る曲は名曲だと言われています(笑)実際、他の吹奏楽コンクールの課題曲は殆ど忘れましたが、「キューピッド」の旋律だけは、このコンサートの有無に関わらず学生の頃から憶えていました。やはり名曲だったんですねェ。

御歳88、流石にずっと立っているのは大変そうな川崎先生でしたが、まだまだお元気そうです。
是非これからも名曲を生み出して頂きたいと思います。

(ひとつエピソード)
2007年の夏の甲子園全国高校野球。大会14日目の準決勝戦は、広島の広陵高校対静岡の常葉菊川高校戦でしたが、両校共校歌は川崎優先生が作曲しているのです。つまり、どちらが勝っても甲子園には川崎先生の曲が流れる訳で…。これって地味に凄い事です!
因みに結果は4対3で広陵の勝ちでした。
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テーマ : 吹奏楽
ジャンル : 音楽

tag : キューピッドのマーチ 吹奏楽コンクール 課題曲 フルートオーケストラ

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プロフィール

Yumochan(ゆもとようじ)

Author:Yumochan(ゆもとようじ)
本名:湯本洋司
フルート&ピッコロ奏者。アレンジャー。
(属)芸大フィルハーモニア/アマデウス・クィンテット/ムラマツフルートレッスンセンター講師

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