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ブルーアイランド音楽教室

2年ぶりの台東区音楽鑑賞教室

藝大フィルハーモニアの毎年度最後の仕事は、3月14&15日の2日間に渡る、台東区の小中学生を対象とした音楽鑑賞教室である。
会場は奏楽堂。指揮は”われらが”青嶋広志先生。

2012.3.16-1

「クラシック音楽はかく崇高なものだ」と言わんばかりの、しかつめらしい顔で棒を振る他の指揮者。あれではますます敷居が高くなり、クラシック離れする子供達も少なくなかろう。
だが青嶋先生は違う。彼のマジックにかかると誰でも皆クラシックのコンサートに出掛けたくなるだろう、そんな鑑賞会になる。

実はこの鑑賞会、去年は震災で中止になってしまったため、2年ぶりの開催なのだ。
尤も自分には、それでも2年なんてあっという間だなと思うのだが。

さて先生、今回も”舌”好調だった。

先ず氏は黒タキシードみたいなかしこまった服装はまずしない。お洒落なジャケットにベレー帽で現れる。
お辞儀もせずいきなり棒を振り出す事があるかと思えば、長々とお喋りしてから始める事もある。型破り。
いずれにせよ、いつ振り出すか予想がつかないので、こちらは半分楽器を構えた状態でいる。

「みなさーん、こんにちは!青嶋広志です。さっき学校の先生が『演奏中の私語は厳禁です』とか『プログラムは音がするから演奏中に見ないで』とか言ってたけど、全然そんな事ないのよ。『あの人カッコいいわね』と隣りの人に話しかけたり『この曲何だっけ?』ってプログラムどんどん見ていいのよ。だって折角のコンサートなんだからそうでもしなきゃつまんないじゃない」といきなりオネエ調で、さっきまでステージ上で説明されていた注意事項を真っ向から否定する。

曲の説明も個性的。
「この曲の作曲者ロッシーニは凄くヤな奴だったの。だって数学の授業に海水パンツはいてくる人なの」イタリアのオペラ作曲家とは一言も言わない。オケも客席も大爆笑。

楽器の説明も個性的。
ヴァイオリンの紹介で「このおねいさんの楽器は6億円もするのよ」パイプオルガンを指差して「あれは48億円もするの」これらの数字は多分当てずっぽうだと思うが、子供達にとっては発音原理よりも値段の方が興味深いに決まっている。

「コンサートマスターは、もし私がここで死んじゃった時に(!?)私の代わりに音楽を勧めてくれる重要な役割の方です」本当にドテッと倒れてみせる。でも実際に死んじゃったら、普通はやはり中止だろう。

とにかくこのように、面白可笑しい話をしたかと思うとパッと指揮台に上がるので、当然次の曲の楽譜が指揮者の譜面台に用意できていない状態になる。従ってよく先生は、左手でガサガサとスコアを捜しながら棒を振っているが、この光景も次第にこちらは見慣れてきた。

そして必ず歌のゲストが入る。「おしゃべりコンサート」でよくご一緒するテノールの小野勉さん。
小野さんも曲の半分はステージじゃない所で歌っている。子供達の間近でハイトーンを出したり、握手したりマイクを向けたり。

これで私語を慎まれては逆に気味悪い。子供達は大喜び。だがザワザワし過ぎると先生すかさず「聞いて。ねえ聞いて、聞いてッ!」集中のさせ方も上手い(オケは苦笑)。

飛び入り指揮者体験コーナーもある。
「はい、じゃ男の人、または自分が男だと思っている人(?)の中でオーケストラの指揮をしてみたい人!」とか言って手を挙げさせ、男女1人ずつステージに招んで、名曲の一節を振ってもらう。
あくまでも子供のテンポ通りに演奏するので、多少乱れるものの、本当に独りで何十名ものオケをまるで大型トラックのように動かせるのだから、結構感動するだろうと思う。
そしてここで振ってくれた子には、今使った指揮棒を先生はそのままプレゼントしている。

こんな風にして展開される音楽鑑賞教室。おそらく、台東区の子供達は他の子よりも得しているように思うのだが。
でも昨日は最後にこんな事を言っていた。
「去年は地震でできなかったの。だから学校に帰ったら先輩には『面白かった』なんて言わないでね。むしろ下級生に『面白かったよ』と言ってあげてね」と(笑)。

(付録:こんなハプニングの時もあったが…「死ぬかと思った」



この藝大フィルにて2nd.ヴァイオリンパートを長年弾き続けてきたKさん(写真左)が、実はこのコンサートを以て定年退職する事になり、終演後に送別会がありました。
自分はオケの中ではわりかし早く出勤&音出しする方ですが、Kさんもまた早く来られる方で、まだ静かな奏楽堂ステージ上で、「おはようございます」とお互い挨拶を交わしていたものでした。

とてもチャーミングなあの笑顔が4月から見られないのかと思うと、淋しい想いでいっぱいです。
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テーマ : オーケストラ
ジャンル : 音楽

tag : 青嶋広志 音楽鑑賞教室 おしゃべりコンサート 台東区 小野勉

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プロフィール

Yumochan(ゆもとようじ)

Author:Yumochan(ゆもとようじ)
本名:湯本洋司
フルート&ピッコロ奏者。アレンジャー。
(属)芸大フィルハーモニア/アマデウス・クィンテット/ムラマツフルートレッスンセンター講師

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