スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

譜面面(ふめんづら)

先月の中旬、日本の現代音楽ばかり並べたオーケストラの本番があった。

現在はパソコンで綺麗に楽譜が作れちゃう世の中だが、「新曲」ともなるとまだまだ手書き譜が多い。スコアからパート譜を作る「写譜屋」さんも大変な仕事だなとは思うが、中には幾ら何でも殴り書き過ぎやしないか!というひどい譜面もある。

この度もそんな、吹く気も失せそうな楽譜に遭遇した(勿論ちゃんと吹いたが)。

それがこれ。現代音楽とはいっても、今から70年以上も前の作品だが。
2012.1.8-1

↑ 各段の最初にト音記号がないのはまあ、よく見かける。いちいちトグロを巻いていられないのも解るが、ひどい譜面だと調号さえ最初の段に1回書いたっきりになる。これは困る(この曲の場合は元々調号なし)。

↑ 上向きの音符でも符頭(黒玉)の右端から符尾(棒)が生えている。楽典ではNGだが、作曲家達はそれこそバロックの大作曲家からもよくやる書き方。まあ、これは慣れれば何ともない。

↑ 下から5段目の最初は「4小節休み」ということ。一番下は「2分の3拍子で2小節休み、その後4分の2拍子で20小節休み」ということ。解読するのに時間がかかる。

↑ 何といってもこの譜面、見ての通り符尾や小節線が消えかかっている。こんな感じが何ページも続くのだ。

↑ 勿論音符の書き間違いも幾つかあった。その度に指揮者や周りの楽員に確認して書き直す。

本来、オケにはこういった楽譜の不備や弦楽器のボウイング等をチェックするライブラリアンという人がいて、スムースに練習が進むようになっているが、残念ながらウチのオケにはいない(そんな予算はなさそう)。個人的にはしかし、指揮科の学生とかが勉強の為にやるべきだと思うのだが。

とにかくこのシリーズの練習は、そんな訳で実に手こずった。

逆に、同じ手書きのパート譜でも、こんな健気な写譜もある。
これはある交響曲のピッコロの譜面。
2012.1.8-2

「何でフルートやピッコロってこんなに加線が多いんだ!」と、畏らく写譜屋さんは文句タラタラだったと想像するが、それでも何とか頑張って書いたのが解る。綺麗ではないが解り易い。
音符の間違いも殆どなかった。

ただ、これは前に誰かが鉛筆書きを入れたのを、そのままコピーして製本してしまった残念な楽譜。

そういう意味では、過去にこんなひどい楽譜に遭遇したことも。
2012.1.8-3

これはあるオペラ。写譜そのものは綺麗なので、多分練習時に誰かがこんな汚い書き込みをし、やはりそのままコピーされた楽譜を使う破目に。

以上3例はパート譜。手書きにはパソコン譜にはない暖かみがあるが、このように書く人の人間性が如実に表れる。そして使う人の人間性も。

でも、お金を払って買ったソロの出版譜だって、こういうのもある。
2012.1.8-4

これはある現代音楽。
手書きをそのまま印刷したのは、もしかしたら作曲者の意図かも知れない。だが現在では、これらをもグラフィカルに清書する技術がある筈である。

どんな楽譜にせよ、せめて譜面ヅラだけは演奏する方の身にもなってほしいものである。
スポンサーサイト

テーマ : 日記
ジャンル : 音楽

tag : ふめんづら パート譜 現代音楽 写譜 ライブラリアン

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Yumochan(ゆもとようじ)

Author:Yumochan(ゆもとようじ)
本名:湯本洋司
フルート&ピッコロ奏者。アレンジャー。
(属)芸大フィルハーモニア/アマデウス・クィンテット/ムラマツフルートレッスンセンター講師

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

Thank You for Visit
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR
カテゴリ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。