スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

別れの準備

今月初め、アップルのスティーブ・ジョブズ氏が亡くなり、1週間後に近所で子供の通う中学校の同学年の少年が事故死。両方共遠くて身近な、または身近で遠い存在と思っていたのですが、更に数日後、今度は元同僚で昔から本当によく一緒に仕事をしたヴァイオリニストAさんが他界。そして悲しむ間もなく、続いて知人のピアニストKさんの訃報が届きました。

…いろいろと考えさせられる2週間でした。




その昔、死についての本を読みあさった事がある。厄年を迎えるにあたって「死」についてブログを記した事もあった。いったい「死」とは、「死ぬ」とはどういうものなのか?

本人自身にとっての死とは

身体も心も意識も総て無くなる状態。
よく「死んだら楽になれる」というセリフを聞くが、その「楽」という感覚もないと思う。
脳が完全に休止している熟睡状態とも、なんか違うと思う。
全くの「無」の状態…いや「無」という感覚もない…ホント、考えてるとワケわからなくなる。

だが死の感覚のヒントを得る事はできる。
考えてみれば、死は「この世に存在しない」という意味では、自分が生まれる前の状況と同じである。
自分にとって最も古い記憶の、更にその昔の状態を一所懸命思い起こしてみる。自分がこの世に存在しなかった頃である。何も江戸時代まで遡る事はないが、「居ない」という気分(気分っていうのか)を味わう(?)事ができると思う。

人は死ぬ瞬間、苦しみとか恐怖とか無念とか悲しみとか後悔とか(人によっては満足感とか?)、本当にいろいろあったと思う。
だが死んでしまったら、本人にとってはその後はもう「無」なのである。AさんもKさんも、ジョブズ氏も、そして先の大震災で亡くなった人達も。

他人にとっての死とは

よく「肉体が滅んでも魂は残る」といわれる。が、その「魂」があるとしても、それを感じるのは周りの生きている人達である。自分には、死んだ人が「これが私の魂ですよ~フワフワ」という話は、悪いが信じられない。
だが、仮に自分:湯本洋司が死んで、この世に居なくなったとしても、湯本洋司という人間を、肉体以外のあらゆる方法でこの世に残しておくと、それはある意味「魂」となって残す事ができるだろう。
つまり、死んだ後もこの世に居る人達の記憶の中にできるだけ「生かさせて」もらう事が大切だと、つくづく感じた。
人生、一寸先は闇か…。身の周りの整理とか遺言とか相続とかいう事もあるが、如何に自分の足跡を絵や文や音等でこの世に残しておくか、そういう意味でのこの世との「別れの準備」は、普段から着々と進めるべきであろう。

変な話だが、これだけコンピューターが発達していると、自分の記憶や思考を(大した容量でもないので)そっくりそのままパソコンに移し、まるで本人と普通に会話しているかのようにコミュニケーションができる、なんて事も将来はできるのかも知れない(或る意味、倫理的にどうかとは思うが)。
でも、流石に湯本洋司の生のフルート演奏は、ロボットでも絶対再現不可能だろうと信じている。



…奥の深い話ですが、ブログですからこの辺にしておきましょう。

ヴァイオリニストAさんは肺腺癌という、進行の早い癌であっという間に逝ってしまいました。まだ40代。「ご冥福を」という言葉すらかけ難い程ショックです。
お互い「お疲れ!じゃ、またねー」なんて声をかけたあの仕事帰りが、最後の別れになってしまうとは…。

ピアニストKさんは元は舌癌だったそうで、長いこと闘病生活をされていたそうです。そしてなんと最期に「いよいよその時が近づいて参りました」と、周囲の人達に向けてお礼とお別れのメールを発信し、その12時間後に亡くなりました。
拙作も弾いてもらったことがあるのですが、伴奏も頼もしく、とりわけオーケストラの中で弾くのが素晴らしいピアニストでした。

今頃は天国で、この2人がR.シュトラウスのヴァイオリンソナタを(作曲者本人の前で)共演してたりして。

2011.10.19-1

さようなら。
スポンサーサイト

テーマ : ブログ
ジャンル : ブログ

tag : スティーブ・ジョブズ 訃報 足跡

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Yumochan(ゆもとようじ)

Author:Yumochan(ゆもとようじ)
本名:湯本洋司
フルート&ピッコロ奏者。アレンジャー。
(属)芸大フィルハーモニア/アマデウス・クィンテット/ムラマツフルートレッスンセンター講師

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

Thank You for Visit
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR
カテゴリ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。